陰圧・換気・二酸化炭素濃度について

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空気環境の状態を計る指標としての「陰圧・換気・CO2濃度」について、知っておくべき基本的なことをまとめました。
「換気・CO2濃度と感染リスク」のポイントをまとめたページもあわせてご覧ください。
CO2濃度とウィルス濃度

換気・CO2濃度と感染リスク

「換気・CO2濃度と感染リスク」のポイントをまとめています。 コントロールされた換気でCO2濃度を低く抑えることは、室内のウイルス濃度を低く抑えることを意味し、確実に感染リスクを低く抑えます。

「換気・CO2濃度と感染リスク」のポイントを見る

二酸化炭素濃度 二酸化炭素濃度について

屋内では1,000ppm以下

目安となる基準
[法令やガイドラインの規定や推奨値]
  • ビル衛生管理法:1,000ppm以下
  • 労働安全衛生法:1,000ppm以下
  • 学校環境衛生基準:1,500ppm以下
  • 厚生労働省:1,000ppm以下
    (新型コロナウィルス対策としての推奨値)
二酸化炭素(CO2)濃度は、空気の状態を示す指標として使われます。
屋内の換気が不充分な場合、CO2濃度は高くなります。
このため、CO2濃度が高いということは、空気の衛生状態が悪いと判断することができます。

濃度の単位 ”ppm” は、100万分の1を表す単位です。
”1,000ppm” は、空気に占めるCO2の割合が ”0.1%” を意味します。
※屋外でのCO2濃度は、通常 400ppm(0.04%)程度です。

[空気の組成]

一般的な空気の組成は、窒素が約78%、酸素が約21%、アルゴンやCO2等が約1%となっています。
窒素
78%
酸素
21%
アルゴン、二酸化炭素、その他
1%

換気 換気について

換気回数が毎時6回以上

空気感染隔離室では毎時12回以上
(ともに機械による全量換気回数)

目安となる基準

[法令やガイドラインの規定や推奨値]

  • CDCガイドライン:新設12回以上、既存6回以上(換気回数/時)
  • ビル衛生管理法:一人あたり必要換気量30m3/時
  • 学校環境衛生基準:幼稚園2.1回/時~高等学校4.6回/時(試算値)
  • 厚生労働省:機械換気の場合はビル衛生管理法に準じる。窓開放の場合は毎時2回以上、数分程度窓を全開にする。
    (新型コロナウィルス対策としての推奨値)
※CDC:米国疾病予防管理センター
空気の衛生状態を守るためには、充分な換気をおこなう必要があります。
換気量が多いほど空気汚染粒子の除去効率が良くなります。

[空気汚染粒子除去効率]

1時間あたり
換気回数
99%除去に
必要な時間
99.9%除去に
必要な時間
6回
46分
69分
12回
23分
35分
※CDCガイドラインより抜粋

[参考-規定値の対比]

CDCガイドラインとビル衛生管理法規定を換気量で対比しました。
規定値 一人あたり
換気量
CDC
ガイドライン
換気回数
6回/時
144m3/時
換気回数
12回/時
288m3/時
ビル衛生管理法
一人あたり必要換気量
30m3/時

陰圧感染隔離室 陰圧について

圧力差が2.5Pa以上の負圧

※Pa:パスカル(圧力の単位)

目安となる基準

[法令やガイドラインの規定や推奨値]

  • CDCガイドライン:空気感染隔離室について、圧力差2.5Pa以上の負圧
空気(大気)の質量で生じる圧力を大気圧といい、海面上の大気圧を1気圧としています。
気圧の単位はhPa(ヘクトパスカル)で表し、1気圧は1013.25hPaです。
h(ヘクト)とは100を意味し、1hPa=100Paです。
1気圧=1013.25hPa=101325Pa

陰圧(負圧)とは?

他よりも気圧が低い状態のことです。
水が高い所から低い所へ流れるように、空気も気圧が高い方から低い方へ流れようとするので、気圧が低い方の空気は高い方へ移動できません。

空気感染隔離室とは?

空気感染隔離室(陰圧感染隔離室)は、室内の気圧を室外よりも低くすることでウィルス等で汚染された可能性のある空気を室外に逃さないようにして感染症の拡大を防止します。
ウィルスもキャッチする高性能のHEPAフィルターでキレイにした空気を室外に大量換気することで、陰圧を作り出すと同時に汚染物質が室内に滞留しないようにしています。