【共同研究】大分大学において弊社製品を使用して換気・陰圧・CO2濃度の計測と可視化をおこないました。

2020年10月、大分大学理工学部 濱川洋充教授と共同研究をおこない、弊社製品(EVU-10000・ME-238)を使用して換気・陰圧・CO2濃度について計測と可視化をおこないました。

シーラスメディカルではこの共同研究で得られた知見を、導入時のコンサルティングや今後の製品開発に活かしてまいります。

研究テーマ「換気量、陰圧量及びCO2濃度の計測と可視化」
研究者
大分大学理工学部創生工学科機械コース 濱川洋充教授
シーラスメディカル株式会社
実験場所
大分大学理工学部第一講義棟 機械製図室
実験場所の仕様
容積=161.3m3(8.6mx7.0mx2.68m)
床面積=60.2m2(8.6mx7.0m)
※ 約36.5畳(1畳=1.65m2で換算)
実験項目
1.ドアの開閉による陰圧室からの煙の流出状況
2.EVUを用いたときの煙の室外への排出状況
3.EVU作動時における室内CO2濃度の時間変化
使用機器
簡易陰圧・換気装置 EVU-10000(シーラスメディカル製)
NDIR方式CO2濃度測定装置 ME-238(シーラスメディカル製)
煙発生機 PS-2006(ダイニチ工業製)
DPSSグリーンレーザー(エムスクエア製)
気圧測定装置 NT-1500N(ホダカ製)

※ 実験は、人間の呼気により排出されるエアロゾル(空気の汚染物質)を煙を用いて模擬しておこなった。

実験場所と測定機器の配置
実験場所と測定機器の配置

1.ドアの開閉による陰圧室からの煙の流出状況

室内に煙を充満させ、スライドドアを開けた時のドアからの煙の流出状態をグリーンレーザーで可視化して確認しました。

  • EVU-10000作動時には煙が室外に流出しない

    EVU-10000作動時には室内の気圧が大気圧より-12.6Paの陰圧となり、開けたスライドドアから室内に空気が流入するため煙の流出はほとんど見られなかった。

  • EVU-10000停止時には煙が室外に流出する

    EVU-10000停止時には、開けたスライドドアから煙が室外に流出した。

2.EVUを用いたときの煙の室外への排出状況

室内に煙を充満させ、EVU-10000による煙の排出を条件を変えて確認しました。

  • ドアを閉じた場合、約10分間で煙を排出

    EVU-10000による室外への排気で、スライドドアを閉じた状態では約10分間で室内の煙が消失した。

  • ドアを開いた場合、約6分間で煙を排出

    EVU-10000による室外への排気で、スライドドアを開いた状態では約6分間で室内の煙が消失した。

  • 室内の空気をファンで撹拌すると、より効率的に煙を排出

    ドアを開いた状態ではドアとEVU-10000の間に主流域が形成され、デッドゾーン(死水域)の煙の排出に時間がかかるため、室内の空気をファンで撹拌することにでより効率的に煙を排出することができた。

3.EVU作動時における室内CO2濃度の時間変化

室内に大学生(成人男性)24名が入り、密閉状態でのCO2濃度の時間変化と、EVU-10000作動後のCO2濃度の変化を確認しました。

  • EVU-10000が確実に空気の衛生状態を改善

    観測結果は、1名あたりのCO2排出量は約100ppm/時、EVU-10000のCO2排気量は約3500ppm/時であり、EVU-10000が確実に室内の空気の衛生状態を改善させることが確認された。

室内のCO2濃度の時間変化
室内のCO2濃度の時間変化